頭でっかちな女
はだいろ

金がないのに、
女を呼ぶ。
仕事が、あまりにも、
立場上、沈んでしまっていて、
ぼくは、
性格なのか、
やはり、
優秀ではないのか、
なにも、
サラリーマンとしての処世や、
策を弄するということができず、
いや、
できるのかもしれないが、
絶対にしないし、
その結果、
屈辱と無為に甘んじなければならず、
辛さから、
金がないのに、
彼女がいるくせに、
デリの女を呼んでしまう。

でも、
なぜか、
まるで、今年は、
当たりの子が出ない。
わざとのように、
今日の子も、
大はずれ。
ぼくの部屋のたくさんの本に興味を示すけれど、
風呂場ででっかい声を出すのは、
やめてほしい。
だいたい、写真のようすから、
きっとはずれだな、と思ったのに、
なけなしの金で、
女を買って、
まあ、どぶに捨てるようなものだけど、
それで、
そうゆうお金の使い方をすることを、
自分のいまの置かれたさだめへの、
ミソギにしてしまっているのかもしれぬ。
その、エモイワレヌゆがんだ快感。
性的な快感ではない。

自分でいつづけようとすることに、
身銭を削る快感である。
ぼくは、
ああいうふうな人間たちには、
近づきたくもなく、
まじりたくもないのだ。
だから、
また、女を買うだろう。
自分自身をスーパーボールのように、
跳ねっかえしてみたいのだ。







自由詩 頭でっかちな女 Copyright はだいろ 2011-06-09 23:45:47
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