りり

筆先で
なぞるキャンパス

透明な
絵の具が踊る

白いキャンパスの隅に
淡くて滲んだ人影

目元から溢れ出る
透明な絵の具で

絶えず
絶えず

ひたすらに
色を重ね

絵の具は
まだ乾かない

けれど
絵の具は

重ねれば
重ねるほど

白濁色に
生まれ変わり

キャンパスは
いつかすっかり

白いキャンパスに
なるだろう


自由詩Copyright りり 2011-06-09 20:25:26
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