果てでは
はるな


果てでは
混ざりあう灰色が
涎を垂らしている

むらがる夜の下では
性器をひるがえす少女

果てでは
結ばれたはずの日々も
きっときれいにほどけている

見なかった夢を見ることができる
選ばなかった日々を渡ることができる
捨てられなかったものに
もう一度出会うことができる

距離ではない
時間でもない
わたしを隔てているものは
意味でもない
関係でもない
わたしを縛るものは、
生活ではない
理由でもない

色でもないし、形でもない
場所でもなくて、感情でもない

そのどれでもないもの同士で結ばれる
果てでは、
果てでは。



自由詩 果てでは Copyright はるな 2011-06-08 23:59:32
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