またたき
田園

灯台の見える海を背景に
私は大きくなりました

ぶくぶく泡が沸いて
片栗粉が溶けているみたいにとろとろした
波に遊んで
私は大きくなりました

二十七の私は他人に後ろ指を指されています

小さい時
魔法みたいだった地球が狭くて泣きそうです

でも
だからこそ
私は愛を知りました
労働後の一杯の確実さを知りました

家族の老いのスピード
私の焦りの方向

今私は玄関に立って
いってきますと
戦場へ向かう途中です
戦場には人殺しだのオーボエ奏者だのがひしめき合って
皆が怯え
またたいています



自由詩 またたき Copyright 田園 2011-06-06 18:58:53
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