ちっちゃいおっさん
初代ドリンク嬢
左の肋骨
3本目あたりに
ちっちゃいおっさんがいる
かゆいなあと思って
トイレでみると
3センチくらいの薄汚いおっさんがいた
隠れようとしてたけど
厚みのない胸に隠れる場所はなく
ちょっと照れくさそうに
「ども」といった
臭くて臭くて仕方がない
水で流そうと試みたけど
必死にへばりついて流れていかない
仕方なく置いておくことにした
とりあえず、石鹸でこすって
ハンカチで包んでみた
ポケットののど飴を一粒渡した
ちっちゃいおっさんは
少し涙ぐんでいたみたいだった
けれども、、、、
このちっちゃいおっさんは
非常に性質が悪い
車を運転していると
「ウラぁ、どけやあ。
うぜえんじゃ、ひくぞ!」と私の声で悪態をつくだけついて隠れてしまう
ニット帽のお兄さんに絡まれるのは
私だ
性質は悪いのに
気が小さいらしい
上司に注意されてるときも
「おまえなあ、ええ加減にせえや
声がでかけりゃええちゅうもんちゃうで
おまえの息、くさいねん
しかも、なんでおまえ怒るときだけ滑舌ええねん
何様やおもてんねん
おまえワシにそんなんいえんのか」
おまえがくさいちゅうねん
おまえが何様や
支離滅裂やし
『ワシ』て言わんし
ちっちゃいおっさんは
言いたい放題
なぜかそんなときだけ関西なまり
食べ物にもうるさくなってきた
少し
やらしくもなってきて
時々、おっぱいをつねる
若い露出度の高いお姉さんを見ると
「ねえちゃん、ええケツしとるのお」
道端で座ってる女子高生にも
「パンツみえてんど」
彼氏にも
「おまえ、しょーもない話ばっかすんなよ
さむいんじゃ」
困っている
私はとても
困っている
このちっちゃいおっさんのせいで
私の穏やかな生活は台無しだ
もし、
もしも私が誰かに恨まれていたら
それはちっちゃいおっさんのせいです
今もいるし・・。