繋げる想像
電灯虫

茂みの中にある
人が成らした道を行く。
石がゴロゴロ 足を触る中で
踏ん張っている土が 
突風で飛んでいくとき
土だって限りがあるのか 
そう思って
土がない世界が 寂しくて
でも
飛んでいった土が 
例えば宇宙で漂う絵には
少年心がくすぐられる。


茂みを抜けて 
横から川が顔を見せる。
サーと流れて 魚の影がちらほら見える。
自分の目では 川の先が見えない。
昨日見た地図では 
下流は海でも 上流は陸の内だった。
例えば
地球の内側からその表面に水を汲んでいる 
職人がいるとしたら
弟子入りしたくて 
川沿いを上流めがけて 駆け出してる。


近所の街並みが近くなる。
整然と並ぶ家々は 僕には自然。
でも
飛行機の上から見たとき
持ってるブロックのおもちゃで
作った家みたいに見えるのでは?
曇の向こうで 作った本人が 
今度はどう配置しようか 悩んでいたら
横に座って ノウハウを教えてあげよ。


家に到着。
玄関で靴を脱ぎ 荷物をリビングにおく。
手を石鹸で洗い タオルで拭ったら
キッチンに入って クラッカーを取り出し 
コップに入れた粉とポットのお湯で ココアを作る。
二つを飲み食いしつつ 
クラッカーでもココアの粉でも
ポットでもコップでも
還元すれば 多分家の外にあるもので
還元屋さんに電話で出張を頼んで
元に戻してもらったら
そのままにするか
自分好みのご飯碗でも作りたい。
飲み食いしながら思う。


世界の秘密に触れられそうな 今日の夜
とりあえず 宿題が残ってるから
スタンドライトの中で
プラスチックの消しゴムが 
頭を出して準備してくれている中
HBの鉛筆で 
間違う可能性を意識しつつ
力強く答えを記していく。


自由詩 繋げる想像 Copyright 電灯虫 2011-06-05 00:22:57
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