エイジ
茅野ゆき

私の顔は腫れ上がり
鏡の中に血まみれの女が泣いて居りました
一体何が悲しいのかも分からずに
とめどなく流れ落ちる雫

強くない心は
一つの願いを棄てて居りました


腹の中で息衝くイトシイ「モノ」

知っていましたか?
ここにある内の少しの期間
アナタはアナタではないそうですよ
アナタはヒトではないそうですよ

白い服を着た柔らかい笑顔の紳士がそう仰ったのです

ヒトゴロシではないのです、と

優しく、優しく
そう仰ったのです


強くない私でも
選ばなければならないのです

残された二つの選択肢


殺して生くか
一緒に逝くか


伝う涙を拭いながら
どちらにせよ
アナタに逢うことは出来ないのか
などと、考えながら


殺して生くか
一緒に逝くか

それだけが問題なのです


自由詩 エイジ Copyright 茅野ゆき 2011-06-03 15:18:40
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