ハードルを低くしても
未完

飛べるはず飛べるはず

どんどん高くなっていった
ハードル

歓声に手を上げて応える
そんな自分に酔っていた

いつまでも応えられるはずもなく
歓声は小さくまばらになっていき
今はもう聞こえない

空っぽの観覧席を見上げる
少しでも俯くと涙が落ちた

あの頃青かった空は
厚い雲で覆われている

飛べる高さを探すように
ハードルを調節していると
曇天の隙間から

「諦めるな」と聞こえた


自由詩 ハードルを低くしても Copyright 未完 2011-06-03 14:10:15
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