七番出口未来行き
朧月
地下鉄の通路を歩いていると
もしかしてこのまま出なくていいかなとか
考えそうになってあわててしまい
真っ暗な穴の方を必死で見つめる
滑りこんできた電車はなぜか
色褪せてみえるけどそんなはずなくて
オレンジに光る物体と化して進み
乗っている人はみな同じ顔になる
出口は多様
入り口は下降
でたとこ勝負で雨に見舞われる
同じようなビニル傘の君に
声をかけられず同じ方向へ歩く
出口は多様
出口へは上昇
波に押されて雨に迎えられる
同じようなビニル傘さして
横断歩道渡れば未来
交通整理のおじさんに会釈する