七番出口未来行き
朧月

地下鉄の通路を歩いていると
もしかしてこのまま出なくていいかなとか
考えそうになってあわててしまい
真っ暗な穴の方を必死で見つめる

滑りこんできた電車はなぜか
色褪せてみえるけどそんなはずなくて
オレンジに光る物体と化して進み
乗っている人はみな同じ顔になる

出口は多様
入り口は下降
でたとこ勝負で雨に見舞われる

同じようなビニル傘の君に
声をかけられず同じ方向へ歩く

出口は多様
出口へは上昇
波に押されて雨に迎えられる

同じようなビニル傘さして
横断歩道渡れば未来
交通整理のおじさんに会釈する



自由詩 七番出口未来行き Copyright 朧月 2011-05-31 23:01:03
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