午後の休憩
生田 稔

 昔の帯地や

 古着などを見る

 大和の帯には

 夢が宿る

 芸者や上?や素人娘の

 身につけた小物など

 妻が蚊帳の生地を買った

 二千円

 庭には赤紫や黄色や

 桃色や白い花々が

 咲いている

 静かな午後

 コーヒーを飲みつつ

 立原道造詩集を読む

 若くして夭折した

 彼の魂、僕はもう

 76歳にもなった

 いつまでも若いねと

 時折言う人もある

 足がわるくなった、大切にせねば

 とりとめもなく、おもむく

 ままに・・・・・。

 

 


自由詩 午後の休憩 Copyright 生田 稔 2011-05-31 16:11:50
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