静謐
未完

電話が鳴る

受話器を上げる

懐かしい声が

目に滲む

気づかれないように

笑ってみせる

知らないふりをして

安心したと言う

それを聞いて安堵する

何ひとつ

本音を話さないまま

受話器を置く

電話は鎮まる

誰もいない部屋で

ありがとうねと

呟く


自由詩 静謐 Copyright 未完 2011-05-28 14:19:50
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