バイトの研修に来ていたJKに連絡先を渡そうとして渡せなかったチキンの男の唄
SEKAI NO RETSUDAN
飲食店の研修二日目 今日で君に会えるのは最後
休み時間に何度か喋って 仲良くなったその流れで
連絡先を渡そうと メモにアドレス書いたのに
最後まで渡せなかった 宙ぶらりんの紙切れ
僕の恋愛はずっと受身で 向こうから来るのを待ってた
それで何人も付き合ったけど 自分から行くことはまずなかった
だけど今日は頑張って 自分から行こうとしたんだけど
行こうとした だけじゃ 駄目なんだよね
バイトの研修に来ていたJKに連絡先を渡そうとして渡せなかったチキンの男
それは誰かといいますと僕です僕みたいなクソ野郎が渡したところで意味ねえよ
精神病んでるし後頭部は剥げかけてるし風呂なしトイレ共同アパートだし
身長は低いし体重は薬の副作用で太る一方だし頭は悪いし顔もクソだし今年で二十五だし
君が僕に微笑んだ あの時見えた八重歯は
一生忘れることは 無いんだろうなって思えた
あの時渡していれば 違う今が待っていたのに
最後まで渡せなかった 紙切れはポケットの中
君には僕よりもっといい 彼氏と付き合って
楽しい人生を送ってくれれば 僕はそれで満足さ
つまらない男と付き合ったら 僕は怒っちゃうよ
幸せを祈っております どこかで会ったらよろしくね
「今年で十六です」「え、マジで、若ッ!」「本番でできるかわかんないですよ」「覚えることめっちゃあるよね」
「これが初バイトなんですよ」「何で飲食店選んだの」「友達からも言われましたよ」
目を瞑れば よみがえる 君との会話 よみがえる
だけど渡せなかった紙切れは ここにある ここにある
ここにずっとある 渡せなかった紙切れは ここにある ここにある
ここにずっとあり続ける 君に渡せなかった紙切れは