あわあわ
電灯虫

実は生活のリズムを作ってる。
その時間以外は すべてこの時のためにあると言ったら
過言だと思うけど。


スポンジに洗剤をつけて お湯に一回通した後
柄の部分をもって 前みたいに 手を切らないように
ゆっくりと 前後に洗う。
また お湯に通す。
水分を吸って 重くなって流れてく。
水垢を嫌って 備え付けの 切ったキッチンタオル一枚で
これまた 慎重に 丁寧に拭く。
台所の電灯に照らして 油残りがないかを見る。
表面に張り付いて もっていかれた 肉の脂。
見た目でも 手触りでも 不存在を確認し
いつもの場所に置いたら
次の洗い物に とりかかる。


二回目だからか よく泡立つ。
昔は 髪の毛を綺麗にするためにやっていたが
最近は 頭皮を綺麗にすることを意識している。
計十本指の腹を使って 頭皮の前後に動かす。
二の腕が つり気味になる。
シャワーのアレはどこかと 目を瞑りながら 探し当て
勢い 熱いお湯で 流す。
洗い流しながら 開けれた眼でみれば 
抜け毛と一緒に 排水溝から溢れる 大群が行く。


頭をプッシュして 一回分の適量を手にのせたら
水に付けて 左手 右手 左手 右手でこすっていく。
手の間・指の間から増えてく。
甲の部分を 平の部分で洗っていく。
わしゃわしゃ感がある。
動きを止めると 落ちてくから どっちかの手で受け止める。
両手離して 指の間もこすれば 落ち着かない その包み感。
ニヤつく前に 手の甲で 二・三回
上下に動くひねり口を 上に叩いて水を出す。
どちゃっと落ちる。
綺麗になる。


前後を比較すれば 一つのアクセント。
次の機会を楽しみに 
手も食器も頭も 
きれいさを台無しに 意識して汚しにかかる。


自由詩 あわあわ Copyright 電灯虫 2011-05-27 00:14:27
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