When do you kNow?
百瀬朝子

細胞は古くなる
からからに渇いて
白い皮膚が覆う
脱皮できないあたしは
留まる罰も知らない

誕生日ごとに新しくなる
「おめでとう」の一言に
どれだけの意味があるのか
わからないまま
それが特別なことであると
みんなが認識しているという根拠に
支えられて

  あれは白くてまぶしい
  乱反射する涙を
  こぼさないまま
  夜明けを知る

口論に意味があるとは思わない
不安をぶちまけて
よしよし、と
頭を撫でてもらっても
解決されないこと
知っていながら
甘えを知る僕たちは
傷つけあうばかり

  さよならを言わないのと
  さよならと言えないのを
  イコールで結ぶなんて
  きっとナンセンス
  緑の深さを
  君は知らないだけ

濃淡に惑わされる
甲乙なんて
単なる主観の問題だって
先生は教えてくれなかった
没個性の世の中に
埋もれた僕らは
呼吸を忘れて
朝に覚めない症候群と
戦うことも忘れて
数日を見送っている

つらいとか
苦しいとか
うつくしいとか
たのしいとか
言えることがどれだけ心強く
言える人がいることが
どれだけ幸福であるか

未来で知るか
過去で知るか
その程度の違いでしかないことが
ここにはたくさんあって
息苦しいのはきついアルコールのせいだって
明日の朝、知るのかもしれない


自由詩 When do you kNow? Copyright 百瀬朝子 2011-05-20 22:46:18
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