去年の恋
nick

自由なあなたに飛びつきたくて
あの樹のように大空へ手を伸ばした
足がふわっと軽くなり風に乗れたけれど
走れなくなったわたしはあなたを怨んだ


あなたの耳は私のほうをむいていない
わたしが叫ばない限りきこえない
ふいに近づいたような気がしたけれど
わたしにしかわからないみたい


もう戻れないところまできた
あなたを殺してしまった
泪が流れないのが悔しくて
わたしはわたしの目をえぐった


終わるととても楽になった
あなたの明日はもう関係ない
きっと何かがおかしくなっているけれど
わたしにはわからないみたい


自由詩 去年の恋 Copyright nick 2011-05-18 03:19:49
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