こもれび
小川 葉
だいどころのまどから
こもれびがおちている
どこでみつけたのか
いっぴきのはたらきありが
ひとつぶのさとうをかかえ
そのひとすじのこもれびを
いまにもわたろうとしている
そのいっしゅんが
そのときが
わたしのなかで
いったいいつまでつづくのか
いっしょう
このくらしがつづくとでも
おもっているのか
わたしは
ありはどうだ
こもれびはどうだ
ろうごはどうだ
いまとおなじこのけしきを
としおいていくわたしは
いまとかわらずに
みているというのか
わたしはたしかに
いっしょういきつづけるだろう
どこからかやってきた
ありのように
ひとつぶのさとうをかかえて
ひとすじのこもれびが
きえてしまわないように
たいせつに
いまをわたりおえるまで