気分
電灯虫

カーテンを開かなくても分かる 今日は晴れ。
眠気を感じず きびきび 起きれた。
迷いなくベッドメイキングをする。
積んでた本に 小指をぶつけることなく洗面所に行く。
歯磨きからコンタクト装着まで 上半身の動きに淀みはない。
昨日決めてた服のうち Tシャツを今日の気分に変えたら
カナル型のイヤホンをはめて 外への鍵を解除する。


休日早めの朝は 人の量も動きも少なめ
スペースの余分があって 
心象としては アラレちゃんで走ってる。
改札にパスモを通し 丁度来た電車に乗り込む。
今日は日差し浴びたいから 空白の座席に座らず 立っている。


目的地の駅で降り ぶらり見てまわる。
欲しかった靴はあったけど サイズがなかった。
入った服屋では 新人店員さんの売込みが強すぎた。
買いたい本が 行く先々で 売り切れだった。


雲行きは さっきから怪しくなっていて
スマートフォンでチェックしたら 午後から 曇り後雨だった。
予報は当たっていて 今 目の前で雨が降る。
ビルの軒先で 雨の降り加減を観察する。
もうちょっと 弱まったらもう一軒 本屋に向かうと決める。


束ねられた雨音を聞いている。
iPodで音楽聴いているのがもったいなくて イヤホンは外した。
頭上を見ると 本当に水が空から落ちてた。
ビル群の中で落ちる雨 自然現象でも変は変 と思った。
目の前に視線を移す 
視線がいつも通りだからか 線の雨は綺麗だった。
束ねた雨音は 鳴り続ける。
この中を走る 軽自動車がかきたてる 
雨のはじき音がベタで良かった。


雨は弱まり 晴れ間が見えて 結局雨は止んだ。
気分高めてたから ギャップが寂しい。
晴れ間が増す。 辺りが光る。
第ニラウンドのゴング的なものを感じて
朝とはまた違い さっきとも違った気分で
軒先から出て 歩く。
次の本屋にあるといいな 
ドキドキ新たで 続きを始める。


自由詩 気分 Copyright 電灯虫 2011-05-17 01:21:10
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