行ってみる。
電灯虫

土手の切れ目が1本のラインに見えるから
平らになってる地面ギリギリまで 後方にバックして
50m走でそれなりに女子に褒められた 足の速さをもって
ホップステップで 夕陽に煌く川面に行ってみる。


柔らかい土に 利き足の爪先で 線を引いた。
こちらと向こうで分けた。
線を消してもいいし 無かったことにしてもいい。
軽く片足で踏み越えてもいいし 両足で全部向こう側に行ってもいい。
肩幅意識して 両足を開く。
手をズボンにそって置くのが変な気がして
なんとなく みぞおち付近で組んでみて
眉毛は眉間に集めずに 仁王立ちで 陽に照らされている。


その友人はあさっての方向を見ている。
飛行機見つけて おー と追いかけている。
位置関係は 綺麗な90度。
地面見ている 上空見上げている。


帰り道 夕陽が川面を照らしてた。
平らな地面まで一緒に下りた。
二人は隣に立っていた。


耳周りで風が鳴る。
景色も早めに下がってく。
視界の端
向こうを見てた友達がこっち見てる。
普段どおりに 笑ってる。
踏み切る向こう側、 
どういう顔して水中から顔を出そうか
少しばかり悩んだ。


自由詩 行ってみる。 Copyright 電灯虫 2011-05-15 02:01:33
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