海に向かう
ズー

僕らは毎日、夕方に海の絵をかいて、すごしたりするけど、海の見えない町に
住んでいたりするから
このままの僕らで、かき続けたら、いつか、この海だって、線だけになってしまうとは思わないか?
くろがね、みたいな君の
目が好きだけど
僕らの腕を夕方の太陽が
伸ばしていくとしたら
方角なんて気にならないって、海の絵の端にでも
かいておいて
とりあえず、教習所に
通うべきだった、僕ら。


想像で、
深海に森をつくる。
杉とかでいいんだけど
松茸が好きだって
君が言うから
アカマツの森をつくる。
おもうんだけど、
茸は君がつくれば
いいんじゃないか?
森をつくるってのは
大変な事なんだし
僕らが眠る場所だって
必要になってくるだろ?
そこで、また海の絵を
かくような日々が訪れると僕らは海に向かわなくちゃならないから
教習所に通う為の
道路だって必要になる
やらなきゃいけない事が
ワカメみたいに増えてきて深海からも僕らがあぶれていく、んだけど、
そのうち深海だって、この森だって、忘れちゃうから僕らは毎日、夕方に森の絵をかいて、過ごすんだろうな。
想像で、


ああ、そーだ。教官。
ちょっと、海まで
付き合ってくれないか?
想像以上の海に向かって
海の見えない町から
線だけにならない為の
その祈りとして


自由詩 海に向かう Copyright ズー 2011-05-14 00:09:33
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