暴動、そしてヒグマの影
真山義一郎

張り裂けそうな胸を抱えたままで
整然とした街を歩いていく
君を失ったからではなく
単に空っぽな未来を想って
痛むこの胸がつらくて
知らないうちに奥歯を噛みしめている

若者たちが集まって
暴動が起こればいい
なのに街は
年寄りだらけで
幸せに静かだ

そして
僕の手からはいつの間にか
ナイフが
するりとすべり落ちていた

もう、戻れないのだろうか
あの熱狂に
あの狂気に
そして、あの無邪気に

いや、大丈夫さ
祭りはこれからだぜ
って彼らの声がする
十七歳
永遠に十七歳
人を殺すことでしか
成長できない僕らの
温かな戦争が
きっと始まるから

薔薇色の夕焼けが僕らを包む
パソコンをバットで破壊して
RPGの勇者を永遠にリセットする
原始的で健康な暴力
しなやかな筋肉
体験から始まるリアルな痛み

恐れていた影が
檻から出てくる
それはヒグマだ
それこそ、僕が求めていたもので
街に伸びる長い影は
まさにその凶暴さで
この街をパレードに誘う







自由詩 暴動、そしてヒグマの影 Copyright 真山義一郎 2011-05-10 04:15:29縦
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