ななな氏への手紙
たもつ


俺を押しこめようとするな 俺を狭くするな
俺は到着したばかりの華麗なオタクちゃんだ グルグルパンチだ
昨日より少し大人しい犬の頭を撫でているのだ
こら そこのお前 おれを押し込めようとするな たとえ押し込めても
俺を押し込めようとはするな 春に咲く花の名前を一つも言えないのだ
共同で使わなければいけないものたちにも寿命があるのだ
隆盛!経費!肉骨粉! 
挙動不審の右足から左足へとバトンタッチする夕焼けのような右腕のような左腕
メタファ メタファ っていらねえよそんなもの クソして寝やがれ
クソが出なけりゃ水を飲みやがれ
ここで一休みしまーす 華麗なオタクちゃんでーす
俺の生い立ちについてのいくつかの覚え書き
昭和42年6月5日。千葉県市原市にある小さな病院で生まれる。
それはそれは玉のような可愛い男の子であった。俺を。
残念ながら当時のことは記憶に残っていない。押し込めよう。
焼きソバに青海苔がかかってないと。と。
怒り出すような男の子だった。するな。
窮屈だな。透明で。
ぐるぐる。
ぱんち。

可愛い男の子。を
押し込めようとするな 狭くするな
俺を押し込めようとするな 今朝もガラス製みたいなコップをひとつ割ったのだ
割れた破片についてのいくつかの覚え書きと数編
が産卵している海辺に大きくいっぱいのラブレターを書いたのだった
おしまいの予感
でおしまい




未詩・独白 ななな氏への手紙 Copyright たもつ 2004-11-09 16:53:18
notebook Home 戻る