夢の種 
服部 剛

一日忙しく働いた後 
たった五分でも本を読めば 
のんべんだらりと過ごしつつ 
一日一冊本を読むより 
開いた頁の一行が輝くかもしれない 

毎日なんにも悩まずに 
呆けた顔をしてるより 
あちらこちらにぶつかって 
落ちた穴から地面に這い出す、顔にこそ 
陽の光は輝くかもしれない 

始めよう、たった今 
腹の底からふつふつほとばしる 
思いのままに 

この両手の器に積もる 
まぼろしの札束よりも 
たった一粒の夢の種に 
無限の思いを、詰めこんで 

瞳を閉じた場所にある 
誰ひとりいない畑で  
しゃがんで埋めた光の種に 
私はそっと、土を被せる 








自由詩 夢の種  Copyright 服部 剛 2011-05-09 23:56:59
notebook Home