夕暮れのこと
はだいろ


週末、
普通預金から、5万5千円おろして、
土曜日にひとり、
日曜日にひとり、
可愛かった、お気に入りのデリの子を、
部屋に呼ぼうかと、さんざん思いつめたけれど、
水曜日に彼女ができたことだし、
それで、そんな、わけのわからないことを、
してみたかったのだけれど、
結局、オナニーを2回しただけで、
あとは、
ツタヤで借りたDVDを見て過ごした。


ぼくは、いま、あの人のことを、
好きかというと、
これが、恋なのかというと、
きっと、
そうじゃないと思う。
ぼくが望んだのは、
退屈に飽きたから、生活に甘んじるのが耐えられないから、
毒林檎を齧ろうという、
ような塩梅に近いと思う。
毒林檎なんて、ひどい言い方だけれど、
齧ってしまえば、
ぼくの在り方が決定される部分がある。
きっと、
陰口をたたかれるだろう。
きっと、
ぼくの評価も下がるだろう。
でも、
それがどうした。
それでいい。
ぼくなんて、所詮、そのくらいの男なのだ。
だから、お似合いなのだ。
毒をもって毒を制す。
そして夕暮れに、
あのいちばんさみしい時間を、
いちばんうつくしい時間にしてみせようぜ。
ひとりではできない、
絶対にできないことだから。


次に会うのは、来週の土曜日。
ぼくの見に行く落語会に、
昼から晩まで、連れてゆく。
大厄の、
大殺界に、
出会った人よ。
うまくいくもうまくいかないもない。
きみに決めたんだ。







自由詩 夕暮れのこと Copyright はだいろ 2011-05-08 17:58:02
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