ゆるやかにおしまい
りこ

背中の波が剥がれて泣いて
海が誰かを呼んでいる
あなたのことを考えてみる

体を循環する器官のひとつひとつを
ていねいに洗う
みずの流れに臆病になると
腰にひびが入るんです

ゆるやかに
砂浜のおやまがくずれる

背中の波が剥がれて泣いて
海が誰かをさらってゆく
残された脚だけが
ゆらゆらしてる
あなたのことを考えてみる

両脚で立って
わたしこうして泣いています
ひとつぶ
ふたつぶ
このようにして壊れてゆきます

わたしが捨てたものなんです
思い出すには遅すぎた
海をみつめる
片手には雨
ゆるやかに分泌


もう途中

ゆるやかにおしまい


自由詩 ゆるやかにおしまい Copyright りこ 2011-05-05 19:55:12
notebook Home 戻る