人生で初めての女
はだいろ


きのう、よく晴れて、
成田山新勝寺まで、
数え43歳の厄払いに、
職場で、3月まで、派遣で隣に座ってた、
37歳の女性と、
日暮里から、京成線に乗って出かけた。

途中をすっ飛ばすと、
それから、
帰ってきて、
ぼくの部屋に連れ込み、
付き合いましょうということになり、
終電を調べようとするアンドロイドを取り上げて、
服を脱がすと、
GカップだかIカップだか忘れたけれど、
やわらかく重量感たっぷりのおっぱいが現れた。

くちびるにほくろのある女は、
食いしん坊らしいけれど、
確かに、よく食べる人なのだが、
しかし、
くちびるにほくろのある女は、
性欲だってすごいに違いない。
ご存知のように、
ぼくも相当な方だけれど、
結局、
一晩、うとうとしたりしながら、
お昼の12時まで、
Hをしつづけた。
脱がすと、思いのほか、体つきがビッグサイズで、
ぼくは、
風俗の女しか知らないから、
こうゆう普通の人と、どうHしたらいいかわからない。
ところが、
彼女のほうが、
まるでそんじょそこらの風俗嬢なんて、
問題にならないほど、
あれもこれもしてくれるので、
ぼくは、ちょっと、この人、
こうゆうバイトでもしてたのかしらん、なんて思ってしまった。

中出しを避けて、
窓を開けると、
くもり空で、きのうと打って変わってとても寒い。
ぼくはぐったりとして、
なんだか、後悔ですらないような、
行き詰まりのような、
あきらめのような、
くもった気持ちで、
人生で初めての彼女が服を着るところを、
なんとなく眺めた。

もし、
人生をやり直せるなら、
どこからやり直せばいいのかと、考える。
おとといの夜から、やり直せばいいのだろうか。
それとも、
生まれたときから、間違っていたのだろうか。
正しいも、
間違いもないのだろうか。
食欲がまるでない。
初めての彼女ができて、
そのひとを抱きながら、
朝の光を迎える事が、
人生の最大のハイライトだと思ってたのに。
41歳、
彼女ができた。
なにも嬉しくない。
なにも悲しくもない。
こんなものなんだろうか。
だれか、教えてほしい。
ほんとうに生き生きと生きるなんて、誰にできるんだろうか。







自由詩 人生で初めての女 Copyright はだいろ 2011-05-05 13:58:31
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