深夜豆腐
たもつ

 
 
夜、起きて台所に行く
冷蔵庫を開ける
豆腐が二丁入っている
皿に豆腐をのせる
豆腐を握りつぶす
二丁ともつぶす

皿も豆腐も白いのに
皿を握りつぶすことはない
世の中の仕組みは
時々良く出来ている

翌朝、きみと二人で豆腐を食べる
形のある豆腐が食べたい
きみがつぶやく
いつもごめん、そう謝ると
きみは悲しそうにうつむく
世の中の仕組みでは
説明できないことが時々ある

このように少しずつ
すれ違っていく
ぼくときみも
ぼくと豆腐も



自由詩 深夜豆腐 Copyright たもつ 2011-05-02 21:25:22
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