空の下
山岸美香


だんだんと 曇る空の下で

力強く、ステップをきかせて

この濁っていく空のもとで

踊る様にして、駆け出したいのだ。

可愛くて実用性のない傘だから

靴が濡れてしまい

足先の全体が蒸れた。

気付かないフリをして?

気付いて苛立ちながら?

目的地までの道を走っていく。

この濁った空の下で

生きることを見つめては

計算が出来ることの実用性を感じて

算数を勉強しよう、と思った。

私に数学なんて解けない。


時間も飲み込む曇天の下で

踊るように歩きたいのだ。

いつかの日は、今日に還る。

踊るようにして、生きたいのだ。


自由詩 空の下 Copyright 山岸美香 2011-05-01 20:03:38
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