空の下
山岸美香
だんだんと 曇る空の下で
力強く、ステップをきかせて
この濁っていく空のもとで
踊る様にして、駆け出したいのだ。
可愛くて実用性のない傘だから
靴が濡れてしまい
足先の全体が蒸れた。
気付かないフリをして?
気付いて苛立ちながら?
目的地までの道を走っていく。
この濁った空の下で
生きることを見つめては
計算が出来ることの実用性を感じて
算数を勉強しよう、と思った。
私に数学なんて解けない。
時間も飲み込む曇天の下で
踊るように歩きたいのだ。
いつかの日は、今日に還る。
踊るようにして、生きたいのだ。