チューリップ
アラガイs


〈ダージリン〉なんだか枕元から気恥ずかしさがよみがえってきます 。
あなたの袖を引っ張ってみたり
言い訳をしてみたり
はがゆさと弄らしさが顔を出してきて
ためらうフリル
そんな休みの日にチューリップなんて如何でしょうね 。
つらい長雨をまえにして
ひとりよがりに過ぎてきた夏の庭

花びらが陽気に首をふれば
お日さまも大きく照れ笑い
傘に忘れた想い出が腐葉土を食べつくし
(球根はいつ植えたのかしら)
白い垣根に猫の水を撒く
軒に曝せば(ふらふら)と風に戯れふくらんだ曖昧なユリ
いまでも きみを夢にみる 。
ひとつ落ちればなんだか淋しい
そんな、海を越えてやって来た
(チューリップなんて如何でしょうね 。









自由詩 チューリップ Copyright アラガイs 2011-04-29 02:59:25
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