涼風
nonya
それでも君は
真正面に瞳を据えて
行く手を遮るものに
立ち向かうのだろう
恨みもせずに
拗ねもせずに
飽きもせずに
前へ進むことだけを
考えるのだろう
降り注ぐ光のままに
おおらかさを照り返して
水の流れゆくままに
優しさをくねらせて
とめどなく湧き上がる言葉を
詠い続けるのだろう
かりそめの自分らしさを
都会の歪んだ座標軸に沿わせて
見栄えの良い折れ線グラフを
描くばかりの僕に
できることは何もない
ただ黙って見守るだけならば
せめてもったいぶった飾り窓を
君に向かって
思いっきり開け放とう
君の真っ直ぐな想いが
涼やかな風となって
心地よく僕を
吹き抜けていけるように