シーラカンスの行方
影法師


暗く恐ろしい海に
僕の酸素が
消えていくのが見えた

目を光らせて
出口を探しても
見つからないんだ

いつまで此処にいればいい?
どれだけ此処にいればいい?
光はいつ見えるの?

まるで生きていないみたいに
死んでいるみたいに
海月みたいに
プランクトンみたいに

僕も海の一部になって
消えてしまう気がした


僕はこの暗闇で
生きている「必要」を
生きていく「道標」を
忘れてしまっているんじゃないか?


ふと
誰かが僕を見ている気がして
周りを見ても暗くて
何も見えなくて
怖くなって

暗闇へと泳ぎだした。


自由詩 シーラカンスの行方 Copyright 影法師 2011-04-26 23:12:37
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