瓦礫の山
和田カマリ

役立つものとして
組み替えられていた
様々な意味たち
突然の暴力で
ズタズタ
瓦礫の山

当たり前の人生に
無理していて
少し疲れていた
そんな心にも
気付いていた

だけど
日常の分子結合を
めちゃくちゃにし
バラバラにした
悪魔の黒い反吐

あれは嘘だよと
心から言いたい
返して欲しい

便利さのおかげで
無くした物が多いと
したり顔をしてた自分
だけど今はその
便利さが猛烈に恋しい

こんな罰は
笑うことも辛い
360度
見渡せてしまう

シースルーな僕は
年をとって
塞ぎ込みがちな
お笑い芸人のように

いなくなった
家族に
友達に
そして自分に
絶望して
泣いているんだ

突然現れた
この意味のない
大地の時間の中で
頑張らないでいい理由
山のようにあるから
また甘えてしまうよ

ああ星がとてもきれいだ


自由詩 瓦礫の山 Copyright 和田カマリ 2011-04-25 18:58:16
notebook Home 戻る