二次元の向こうから
森の猫

二次元の向こうから

ひたひたと
伝わってくるものを
感じる

4月のはじめ

毎月更新される
華やかな写真の中より
客船と共に

モノクロの横顔と
長身のスーツ姿が
一致した

誰に言われた訳でもない
自然と
手が
脳が
そうせよと
動くのだ

削減しきれなかった
いくつかの
言葉たちは

小さな二次元の機械の
手元に残った

時々
思い出したように

向こう側に
発信するが
こちらの本音は
引き返されるばかりだ

一年をかけて
激しかった感情は

素直で
少し穏やかな
小川のような
ものになった

桜は散ってもなお
目を楽しませてくれる

二次元の向こう側から
今日も聴こえる

優しく
さみしい

息づかい





自由詩 二次元の向こうから Copyright 森の猫 2011-04-24 22:12:55
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