二次元の向こうから
森の猫
二次元の向こうから
ひたひたと
伝わってくるものを
感じる
4月のはじめ
毎月更新される
華やかな写真の中より
客船と共に
モノクロの横顔と
長身のスーツ姿が
一致した
誰に言われた訳でもない
自然と
手が
脳が
そうせよと
動くのだ
削減しきれなかった
いくつかの
言葉たちは
小さな二次元の機械の
手元に残った
時々
思い出したように
向こう側に
発信するが
こちらの本音は
引き返されるばかりだ
一年をかけて
激しかった感情は
素直で
少し穏やかな
小川のような
ものになった
桜は散ってもなお
目を楽しませてくれる
二次元の向こう側から
今日も聴こえる
優しく
さみしい
息づかい