投影
かんな






生き方に迷うのではなく
生きることに
さ迷ってしまうことが、しばしばあって
花を見ても
散ることばかりを思い浮かべ
悲しんでしまう、そんな自らのおもいを、もてあまして

誰でも、何でも
ということばの括りで、すべてを網羅したような
そういう単純なおもいではない
足りない
足りないんだ、という渇望、欲望、そして失望
すべてを含めて捧げたい
生き方は拙い
だから生きることにも、と言って

手を繋いだ、その先に
何もなかったので、泣いた、泣くしかなかった
泣きじゃくって、結局は笑って
安心を与えるしかなかった
ひどく疲れて
ひどく落ち込んで、いたから、いてほしかったから、そばに
傍らに、近くに
表現はほんとうに何でもよかった

花はいつも
笑って咲いているようで
散るときは悲しんでいるようで、それはしばしば逆だったりして
花のきもちなんか
人様に分かるわけがなくて
人は花びらに、落ちていく花びらに
きもちを投影することしか、できない
分かったふりをして
泣いたふりをして
シャッターを押すことしか、できない




携帯写真+詩 投影 Copyright かんな 2011-04-24 10:18:01
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