マイ・ポケット
たもつ

 
 
夏至は過ぎた
バッタが叫ぶ
長椅子の陰で
 
低地の王国には
車のエンジンが
冷たいまま飾られている
 
産卵を終えて
ジェット機は行く
もうそこを
誰も空とは呼ばない

何度も口にしてみる
あなた
あなた
あなた
どうしても思い出せない名前が
私にはある



自由詩 マイ・ポケット Copyright たもつ 2011-04-22 18:58:00
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