白昼夢
林帯刀
真っ白な鳩が
すずなりに枝にいて
喉の奥でうなるような
少しだけのさえずりが交わされている
ぼろりと落ちる
土の上に
落ちたときには鳩ではなくなっていた
あっ
飛び立った
ばたばたと音をさせ
次々に白いかたまりが浮かんで
飛んで
いった
はずだのに枝は
しなっている
ぼろりと
羽が落ちる
よどんだ白昼夢が
木蓮の下
あまい手をさしのべたのだ
2003/04/13
自由詩
白昼夢
Copyright
林帯刀
2003-10-15 17:29:42