夜のラブ・レター
佐倉 潮
冬枯れの畑に立って
鯨色のジャンパーを着込んで
二月の夜空を見上げ
父の書斎で拝借した
古ぼけた万年筆を
夜のインキに そっと
ひたし 流れる雲の
切れ端に綴った
あなたへの手紙です
どうか あなたが
夜が終わらぬうちに
開いてくれたらいいな
朝になれば消えてしまう
ひみつのラブ・レター
自由詩
夜のラブ・レター
Copyright
佐倉 潮
2011-04-18 21:53:30
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