草野春心


  優しい目で
  どこまでも
  温かく深いもので
  きみは撫でる
  残酷さや
  死のもつ暗闇さえ



  あるいは鋭い目で
  銃弾のように
  まっすぐ届いてゆくもので
  追い詰めてゆく
  魂の
  行きどまりの壁まで



  それからきみはしずかに
  完璧に
  泣く



  ぼくは
  強く自分を恥じる
  今までぼくが
  おとしてきたのは
  涙などではなかったのだと




自由詩Copyright 草野春心 2011-04-16 10:15:48
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