街灯下
電灯虫

いつも通りに立っている街路樹とお店
青と赤の信号も一仕事終えて
夜勤の黄色だけが道路を照らす。

いつもの塾帰りにリュック背負って帰宅中
市役所前の街灯の下
そのでっかい足場に腰を下ろす。
前にテレビで見た、海に照らされた明かりに集まる魚の気持ちを感じてる。
夜道でさらに強調された強い光の中でなら、どこかの誰かに伝えられそう。
下向きつつ
しゃべってないけどしゃべってる
口を使わない独り言。

大丈夫の何が大丈夫かわからないけど、
無根拠の大丈夫は「先行投資」ってやつかもしれないし。
何となく音もしっかりしているし。
だから、だから。大丈夫、大丈夫。

指先末端の毛細血管が温かくなってきた時分。
足を数回ブラブラさせて、リュックを背負いなおしたら、
新しいナイキの靴の紐をチラッと確認して、
うんしょっと一声最後に、向こうの夜道に歩いてく。


自由詩 街灯下 Copyright 電灯虫 2011-04-16 01:07:59
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