ふるさと
吉岡ペペロ

寒村にも桜が咲いている

老婆が田んぼをととのえている

大飯原発に向かっている

福島第一のまわりにも

かつて静かな時間がながれていた

田んぼのつぎの担い手は

いまどこでなにをしているのだろうか

のんびりと緊張している

仕事にはうってつけの状態だ

このように生きれたら

もっとひとを幸せに出来ただろう

図面に目を走らせながら

実在しないふるさとを想った

ふるさとはなぜひとに

死者のまなざしをもたらすのだろう







自由詩 ふるさと Copyright 吉岡ペペロ 2011-04-15 11:12:32
notebook Home 戻る