遺書
syuon


人が二度死ぬというのなら

かの王様の死はいつ訪れる


五十年か百年か

僕たち凡人の一生よりは

たぶん長い


はるかなときを 幾世紀とまたいで

悠々とその笑みを見せるのだろうか

シェイクスピアやベートーベンのように?


ソクラテスやクレオパトラだって

いつかは死を迎えるかもしれず

必ずしも残された記録が

存在とイコールではないけれど


人間五十年 今なら百年

誰かの頭に残れなくとも

君の心にいれたらいい




いつか そう遠くはない未来

君が穏やかに死を迎えるとき

僕もまた 一度死のうか





自由詩 遺書 Copyright syuon 2011-04-12 18:56:44
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