ちょうどいいものを知っている
中山 マキ







地面が腫れるから
迷子になって
肝心な時に尻込みするから
奇妙な洋服を着ていても
目立てない

いつもの と片手を挙げる
少しだけ非日常の感覚も
見慣れた頃にはきっと肯定する

丁度いい時に会う日の約束は
今日生まれたあなたの特権
夜をカラフルに彩る
踵に羽が生えたハイヒールも
素敵だねという左手も

ちょうどいいものを知っている
物事の角度って
無意識の内に感じている

髪を染めて、爪を染めて
煙草を1本点して
何度も何度も
息を吸う
言えない言葉を吐き出すために

そうやって
ちょうどいい僕は
ちょうどいい僕を知って行く






自由詩 ちょうどいいものを知っている Copyright 中山 マキ 2011-04-10 14:39:44
notebook Home