抱き続けるということ
朧月

うちの近所に
知的障害者の施設ができるときいて
みんな反対した
知的障害の姉をもつ私は怒った

うちの近所に
性犯罪の過去をもつ人がもどってくるときいて
私はいやだとおもった

抱きかかえる気持ち
それがまだ持てないのなら
抱かせられるものの気持ちをせめて
想像しないといけないとおもう

しかし でも
だが でもなく
確かにその上にのっかって
すべては進んでゆくし
その抱かせられるものの苦悩は
永遠に続いてゆくのだから

私は私に代わって
抱いてくれる人にいつまでも
まず感謝の気持ちからはじめたいとおもう



自由詩 抱き続けるということ Copyright 朧月 2011-04-10 08:48:13
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