ふるら
nonya


ふるら

ふるり

舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの

らるら

るるり

鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの

うるら

うるり

降り注ぐ
乳白色の鈍痛に似たもの

うるる

りるる

涙も流さず
ひたすら輪郭を打ち消すもの

ふるら

ふるり

温んだ風に吹かれて
地面を蹴ろうとするけれど
不安の碇をなかなか上げられない春

うるら

うるり

弛んだ人に紛れて
薄着をしようとするけれど
薄っぺらな性根までは脱げない春




自由詩 ふるら Copyright nonya 2011-04-09 10:34:10
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