羊/綿羊/工場とその周辺
いとう


一本のラインが羊を造形する、その工程は普遍化の道程を離れ手工
業の未分化へと進んでいる。進むことは進歩ではない。進むことは
退化ではない。多様化と呼ばれる分岐信仰がラインを圧迫するポイ
ントにおいてのみ羊は組み立てられることを羊自身の意志で拒める
が、すでにそれは羊ではなく

             組織化の輝き)
          の幻惑という、惑い)
       の中に可能性を提示される)
      (たとえば、綿羊

              と呼ばれるこの生物は自身の成長を
否定することによって存在を保障される。それは乖離され分離され
切断され認知され統合され和解する過程においてその存在を示しそ
の存在を意識すると同時に一部となる。確認はされない。されてい
ない羊の一部として綿羊が成立する

                という、図式)
              (あるいは、願い

                      によって工場は閉
                      鎖されている。周
                      辺の草は言うまで
                      もなく羊(一部綿
                      羊を含む)の食料
                      となって久しい。






自由詩 羊/綿羊/工場とその周辺 Copyright いとう 2003-10-15 14:50:30
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