咲く花のひと
恋月 ぴの

君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな





おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ

私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んでみた

そして好きとか
愛しているの度合いを

脚の長い水鳥が干潟でも渡り歩くように
いっぱいに拡げた親指と人差し指の間で測ってみせる

ふむ、このくらいってことか

自分を愛せなければ
他人を愛することなんかできない

そんなことばがあったような
なかったような





あきすとぜねこ

彼の名前と私の名前で占う
好きとか
愛しているの度合い

最後のひと文字、恋人の「こ」じゃなくて結婚の「け」だったりもするらしいけど
やっぱ恋愛と結婚は別物だよね

としたり顔で頷いてしまう私がいたりして





今年も桜は咲いてくれるのかな

辛いことたくさんあって
涙たくさん流れて
それでもしっかと綻んでくれそうな気がする

好きなひととお弁当を拡げ
たわいも無いことで笑いあったりして

なんか良いよね

大切なことなんだものね

肌寒さも影響してるのか人影まばらな公園の片隅で
乗ってきたチャリに腰掛けたまま

好きでも嫌いでもないはずの
男友だちとの相性を

あきすとぜねこ

占いながら口元緩んでる自分自身に気付く








自由詩 咲く花のひと Copyright 恋月 ぴの 2011-04-04 19:25:01
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