同じなのは風だけ
あらら

月や空や星々
どれもぜんぶ違うとそう思いながら
夜空を見上げて街を歩いていた

同じなのは風だけだ
風だけが同じ
心と同じなのはただ風だけだ

凍えるように冷たい風や
生温かく鬱陶しい風
埃っぽく目を覆いたくなる風もあれば

そして今ここに居て
本当に良かったとそう思えるような
心地良い風もある

目には見えないのに
ただそこに在ると
そう感じることができる

一ところにじっとはしていないから
追いかけてみたり
捕まえてみたり

そして今このようにして
その静けさに耳を澄ませながら
互いに重ね合わすこともできる

同じなのは風だけ
そう思いながら夜の街を二人で歩いた
掌にあなたの心を感じながら


自由詩 同じなのは風だけ Copyright あらら 2011-04-03 23:45:34
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