陽だまりに
月乃助


眠りによりそう
咲きおくれた百合の白い想い
写真のなかにおさまったあなたは、
昔見せた笑顔のままで
私をみつめる


じゅうぶんに苦しんだのですから
もう休んでもよいのです
生きとし生けるものがみな迎える
旅立ち


ほんとうのことを言ってもよいですか  
私は、ほっとしているのです
すべてがこんなに早く終わったことに


親孝行のまねごとさえできなかった
その私に
逝ってしまったあなたが残した言葉
つよくなりなさい
言葉少ない吐息のなかで聞いたそれを
ぼんやりと思い出していたりするのです


川辺にあつまった人たちが
桜の陽だまりで
ほんとうに幸せそうに
笑い声をあげています
私の春をも うばいとっていくように






自由詩 陽だまりに Copyright 月乃助 2011-04-02 20:11:26
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