モノクローム
森の猫

眠い
眠い

とろとろと

こんな時
脳は

あちら の
世界と
相談をしている


残酷なのに
血の赤が見えない
モノクロームな夢ばかり
見続ける


都下の森は
警察と自衛隊
そして巨大病院と化し

その周りに
ぐるっと
時限爆弾を
仕掛けられた


ホームステイ先の
かわいい未就学児は

父を殺し
母を狙う
狂気を孕んで
眠っている

広い庭園には
落雷と土砂降り

間接照明の
リビングは
薄暗い


あの日から
左耳には

心臓の音が離れず
混乱を拡散する


残酷なのに
血の赤が見えない
モノクロームな夢ばかり

モノクロームな世界に





自由詩 モノクローム Copyright 森の猫 2011-04-02 00:13:45
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