デイジーの頃
塔野夏子
墓地の芝生の上を
早春のあかるい風が吹き
ある白い墓標のかたわらで
小さなデイジーの花束が
微笑んでいた
そのことをくりかえし思いだす
私ひとりの影と
しずかな陽射しと
そのとき胸をよぎった祈りの言葉は
今もなお誰にも告げないままだ
自由詩
デイジーの頃
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塔野夏子
2011-03-31 20:20:37
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春のオブジェ